<上>会場風景(撮影・sorami(瓜生裕樹))
<下>ポストカード(撮影・桜井妙美さん)
『2002 小樽・鉄路・写真展』開催概要
▼会期 2002/8/26(月)−9/8(日)
▼会場 北海道・小樽市 旧手宮線線路敷
JR小樽駅から徒歩5分
・下図参照
JR小樽駅と小樽運河の中間を東西に伸びています
▼時間 24時間屋外展示 夜間はライトアップされます
▼入場・観覧無料
■このページは、『小樽・鉄路・写真展』出展者の
sorami(瓜生裕樹)が制作しているものです。
近日、私の作品を掲載するとともに、
会場の様子等もお伝えする予定です。
どうぞ、ご覧いただければ幸いです。
なお現在、公式サイトが開設準備中です。
オープンの折には、ぜひそちらにも足をお運びください。 |
今日も小樽の街を、カメラを手に歩く。
ひとつ山を越えたところの小さな漁港で、
この秋はじめて、とんぼの姿を見た。
夏のギラギラとした太陽の名残りと、
やわらかな色をした秋の青空が混じりあう。
なぜだろう、そっとつぶやいた、さよならと。
夏の終わりはいつも寂しくて、
だけど、夏の終わりにこの街を、
そして鉄路の跡を訪れるようになってから、
僕はこの寂しさが好きになった。
急かさずに、急かされずに過ごす時間。
角を曲がるたびに、初めて見つける光景。
いろんな人と会って、そして、いろんな写真との出会い。
そして今年も、二週間だけ存在した、
写真と自分と向き合う空間との別れ。
たった一時間で、もとの線路跡に戻ったこの場所。
吹き抜ける風は、もうすっかり秋のもの。
錆びた鉄路に腰掛ける。
冷たいはずなのに、どこか暖かい。
ここに集ったたくさんの想いが、
まだ熱を帯びて漂っているかのようだ。
この夏にさよならを告げても、
この場所には、行ってきます、と告げた。
もっといろんなものを見て、いろんな人と会って、
そして、撮りつづけて。
2003年の僕の想いを持って、ここに帰ってくるために。
9月8日。
([today's sora] 2002/09/08
より)
■ ■ ■
小樽の草むした線路に写真と写真を愛する人たちが集った二週間。そして再び、そこは夏草の名残り茂る線路に戻りました。
私・sorami(瓜生裕樹)も昨年に続いて参加しました写真展『2002 小樽・鉄路・写真展』は、9月8日(日)
17時をもって無事終了しました。会期中ご来場くださいましたみなさま、感想ノートへのご記入、ポストカードをお持ち帰りくださいましたみなさま、出展者のみなさま、本当にありがとうございました。
自分にとって「写真」ってなんだろう……、今年もたくさんの写真と、小樽の街と、そして人との出会いの中で考えていました。
写真は、その日そのとき、その場所にいた人がそこで感じなきゃ創れないものなんだ、と。
それは自分自身の写真ばかりでなく、その内面までをもゆっくりと見つめるきっかけになりました。
たくさんの人……出展者のみなさま56人、そしてお越しくださったみなさまと、たくさんの写真……約600点。そして、ここに集まったその数だけの、その数以上の想いが原動力となった「鉄路展」。そのエネルギーを懐に、これからも撮りつづけていこうと思います。
来年もぜひ、夏草茂る鉄路の上で、会いましょう。
>>>昨年の出展作品・会場風景はこちらです。 |